2年間ブータンに滞在してる娘が帰国する前に、一度この目で見てみたいと一大決心をして行ってきたものを簡単にまとめました。が、1週間分ですのでちょっと長くなりました。
5/10(土) 関空からバンコクへ
関空から乗り継ぎ地のバンコクまではタイ航空。バンコクからブータンのパロ空港までは、新規参入したタシエアのブータンエアラインズ。両社は提携関係がないため、2時間の乗り継ぎ時間内に手荷物の乗せ替えがうまくいくかハラハラしたが、空港内を早歩きで行ったり来たり、喉はカラカラになりつつもなんとか乗り換え成功。
乗り換えが出来たのでようやく写真を撮る余裕が出ました。ブータンエラインズの機内食。ベジタリアンかそうでないか毎回聞かれました。日本にいると気づきませんが、宗教などによりそれぞれ食事内容も違うのですね。実感しました。
5/11(日) バンコクからパロへ
インドのコルカタ(旧カルカッタ)経由。ここで給油と機内食の補給、そして乗客の半分程を占めていたインド人が降り、また数人が乗り込んできた。
現地時間 9:40 パロ空港に到着。出迎えの娘と会ってほっとする。昼食後、パロ・ゾンへ。ゾンとは県庁のようなもので、行政機関と寺院が同居している建物。
娘の住むティンプーへ移動。ちょうど、この日は日曜日でサブジ(野菜)バザールが開かれていた。ブータンでは近年出来たスーパーでも野菜は販売されていなくて、週に一度のバザールで野菜、果物を調達するようだ。
マンゴーが1キロ160円!早速買う。アスパラも安い。
市場の奥には頭をコンクリートの床に乗せ解体された豚が横たわっていた。その隣には解体時に出た血で作った赤黒い腸詰が山と積んである。
野良犬たちは、お気に入りの場所で昼寝中
28年間ブータンの農業振興に尽力した西岡京冶氏の功績もあり、市場には野菜が豊富に販売されている。日本人に馴染みのある玉ねぎ、キュウリ、ナス、トマト、ジャガイモもあった。
5/12(月) 南国プナカでチミ・ラカン(寺院)とプナカ・ゾンを見学
首都ティンプー(2300m)からプナカ(1300m)へは3時間の移動だ。途中にある峠ドチュ・ラ(3150m)には108基のチョルテン(仏塔)があった。インドと友好関係にあるため、2004年にアッサム分離運動のゲリラ部隊を一掃した際の戦勝記念(後で調べました)
そして、ここから先は南国の雰囲気がすこしずつ漂ってくる。
チミ・ラカンは子宝を祈願する寺院で、村の民家や商店の壁には豊穣を意味する男性根が堂々と描かれていたのが印象的だった
放牧場を通って、チミ・ラカンへ。お賽銭をあげ五体投地式のお祈りをして、若いお坊さんから聖水を手に頂く。そしてなぜか私にも子宝?のおまじないをしてもらった。
外に出るとダルシン(お経が書かれた旗)が立つ丘の上で数名のお坊さんが思い思いの場所でお経を唱えていた。
プナカ・ゾンは川のほとりにあり、川沿いには紫色のジャガランダが満開だった。規模も内容も立派なものだった。以前は冬の首都として政府機関があったらしい。
その晩は集合式のコテッジ風ホテルで泊まった。娘の家はシャワーが水になったり熱湯になったりで難儀したが、さすがホテル、無事シャワーを浴びることができた。欧米とインドからの観光客が多く宿泊していた。
5/13(火) プナカ から ティンプーへ
二日ぶりに戻ったティンプーが都会に見えた。首都ティンプーは建設中の建物が多かった。工事はインドからの出稼ぎ労働者が主にしているようだ。
織物博物館を見学した後、郷土博物館横のレストランでブータン料理の昼食。
外国人向けだろうかあまり辛くなかったが、脂と塩分が多いので毎日食べるのは辛いかも。
タシ・チョ・ゾンは国の中央政庁で国王のと宗教界の最高権威の執務室がある。
four friends が助け合う話(鳥が種を落とし、ウサギが地面に穴を掘って、猿が種を埋め、象が水をやると種は芽を出し、やがて大木となり多くの果物が実った)は有名で民家の壁や掛け軸などにも描かれている。
5/14(水) ティンプー北部のクズチェン小学校へ
JICA隊員が先生をしている小学校を訪問。子供たちからどんな花が好きか?どんな色が好きか?などかわいい質問攻めにあった。また授業の終わりにドラえもんの歌を一緒に歌ったり記念撮影をしたりと楽しい時間を過ごした。学校の授業は基本英語で行われている。
帰りに学校の反対側の山にあるベガナの岩絵を見学。立派なお釈迦様が極彩色で描かれていた。
5/15(木) トレッキング1日目(パロ ブンドラ地方へ )
7:30 ガイドが迎えに来た車でパロへ移動。更に北部の山へと移動する。山の中腹、寺院の前でコック、ポーター2名、馬方と合流。10:00 トレッキングスタート。3000メートル位だろうか、ゆるやかで緑豊かな登山道だ。
昼ごはんは、この日の朝コックが私たちを待っている間に作ってくれたお弁当。アルミの丸い4段重ねのお弁当箱にブータン料理とご飯。マンゴーのデザート付き。
青い空と、白い雲、色とりどりのダルシンがはためく丘でしばし仰向けになって手足を伸ばした。山道だが、きつい傾斜は無くのんびり歩く。途中お寺が2つあった。そして必ず番犬のような顔をした野良犬の出迎えを受けた。
15:00 放牧場のようなキャンプ地へ到着。下の方に見えるチョルテン(仏塔)の周りには数十本はありそうなダルシンが風にたなびいている。手前には重い荷物から開放された馬たちがのんびり草を食んでいる。
宿泊用テントと小さなトイレ用テント(地面に穴が掘ってあるだけだが有難い)、食堂テント、炊事場兼スタッフの宿泊テントが設営されていた。4張りの内3張りが客専用なのだ。なんという贅沢!
星空から月空に変わり、翌朝は晴れることを期待しながら、20時すぎ就寝。
5/16(金) トレッキング2日目
5:30 ブンドラの頂上へ向けて歩く。岩場はほとんどなく広い草地の斜面を上る。徐々に高度を上げていく。振り返ると宿泊していたテントが小さく見える。標高は約3500mから頂上は約4000メートル。
さすがにしんどい。数歩歩くたびに呼吸を整える。娘とガイドのディプーはずんずん先へ進んでいる。やっぱり違うなぁー。
ダルシンの林を抜け、最後の上りを終えるとようやく頂上に到着。6:30頃か。
雲の向こうに6000m、7000メートル級の山々が見えた。ブータンでは6000m以上の高山は信仰上登らないらしい。また全ての山に名前があるわけでもないとのこと。
頂上からは更に別の岩山へと続いていたが、そこはかつて赤ん坊が死ぬと置いてくる場所(鳥葬)だったとのこと。今でも隠れて行う人がいるとか。10:00 朝食後、キャンプ場を出発
帰りは絶壁にへばりつくように建っていることで有名なタクツァン僧院を経由して下山。タクツァンとは虎の巣という意味で、ブータンにチベット仏教を伝えたパドマサンバヴァ(グル・リンポチェ)が虎の背中に乗って来たという言伝えがある。
ブータン人は民族衣装のゴ(男性)、キラ(女性)を着ていなければ入れないとのこと。基本他の寺院でもそうらしい。
15:30 約2500メートル地点の登山口へ到着。急登は無いとはいえやはり30キロ歩いた足はフラフラだった。その晩はパロのホテルで宿泊。荷物のまとめもそこそこに爆睡した。
5/17(土) パロ空港からバンコクへ
パロ空港で最後のお土産を調達して、ブータンエアラインズの飛行機に乗り込む。バンコクのスワンナプーム空港で7時間半を過ごし、18日の朝7時に関空に到着。
パロ空港の係員の女性に手荷物の事を聞いた時、「大丈夫、私がタグに書いておくので関空まで乗せ替え無しで届きますよ」と言われたものの、関空に着くまではドキドキだった。
そして手荷物受取り場でぐるぐると回るベルトコンベアの上に乗って来た自分のスーツケースを見たときには本当に感激した。ありがとう!! 初めての一人旅(一部)でしたが、トラブルも無く最高の7日間となりました。